2024/08/09
刺繍レースのハンカチに羊柄…どんな想像をしますか?
私が近沢レース店さんのハンカチと出会ったのは「羊」というキーワードが気になったからでした。
刺繍やレースというどこか明治・大正のロマンを感じるワードに、私の好きな羊…。
ちょっと独特でコアなファンがたくさんいる面白いハンカチをお話します。
冒頭で少し触れたとおり、私が近沢レース店さんのハンカチを気にしたきっかけは「羊」でした。
もともと羊が好きなのですが「刺繍」「レース」「ハンカチ」というワードに「羊」が異質だったんです。
そもそもイノブンでは多数のハンカチを取り扱いしていますが、「羊」というワードを聞くことがまず無いんです。
東京のKITTEに直営店をもつ「エイチトーキョー」さん、
たくさんのリバティハンカチを作りつづけているフローレット・ロンドン、
…キャラクターものもあれば結婚式や入学式などフォーマル向けのものまで、いろいろとイノブンの中では出会ってきました。
でもひつじって無いんですよ。
デフォルメされたキャラクターもの的なものでもなく、本物の姿形に近いようなひつじが好きなので、
「え、ハンカチにひつじ…?」
と思ったのが近沢レース店さんのハンカチを気にしたきっかけです。
自分でいろいろ作るのが好きだったり、素材を集めるのが好きだったり、ポストカードや切り抜きを集めたり…私にはその時はまっているものを集める収集癖があります。
20代の最後の方に、
「そろそろ集める癖気を付けておかないと物で溢れる」
とふと気づいてからは、リボンやビーズを集めたりすることは無くなりましたが、インドのビーズ刺繍や、地元のおしゃれな手芸屋さんと併設されたアンティークレースやリボンのお店、そういう空間にいくとわくわくします。
そういう空間ってでもやっぱりどこかメルヘンですよね。
その刺繍やレースへのメルヘン、エレガントな印象は私の場合はこの本でできあがったなと思います。
大好きなイラストレーター「マツオヒロミ」さんが描く、空想の世界の百貨店が舞台になっています。
老舗の百貨店へ、おめかしをしてレースの手袋に竹の持ち手の日傘を持ちお出かけ。
この本の導入部分も、百貨店の婦人用品売り場でレースのショールを羽織った女性が、素敵な日傘を忘れる…そんなシーンから始まります。
とても華やかで優雅なイメージです。
このイメージから、刺繍レースのハンカチを想像すると、このお店さんがこんなポップな柄を作っているというのも不思議です。
近沢レース店さんのサイトもとっても高級感・上品・エレガント!なイメージ。
2023年の秋冬から取り扱いがスタートしたのですが、これまでシーズン限定柄をセレクトしていました。
今後は時々写真のような夢見る女性の心をくすぐる、定番デザインのものも取り扱っていきますね。
このよみものの一番下に、これまでオンラインショップ内で取り扱いをしていた商品も並べてみました。
昨年の冬には「フクロウ」「ひつじ」「リリー」
まだ寒い春先には「ミモザ」と「桜便り」
少し暖かさを感じてきたら「バニラ」「桜餅」
この2つは後から写真を並べているときに思ったのですが、甘い匂いがしてきそうですね。
初夏からは爽やかな「カモミール」色鮮やかな「ロータス」
カモミールを私は買ってしまいました。とても長い間どちらの色にするか悩んでいたんです…。
残念ながらシーズン柄は完全受注生産のため、1回の入荷分がすべて売れてしまったら追加で入荷することはありません。
有り難いことにオンラインショップでもお問合せがたくさん。
関西だけでなくいろいろな地方の方からお電話もご注文もいただきました。
とある男性からは
「テレビで放送されているのを見たんだけど、近いお店には無くて…プレゼントに良いなと思ったから探して見付けたんだけど、どっちの柄がいいかな?」
とご相談のお電話も。
その後は何度か
「別の商品も気になって…これはこういう人にはどうかな?」
「自分でも使っていいものかな?」
などいろいろお話してくださいました。
オンラインでも、お客様とお話できるきっかけを近沢レースさんのハンカチが作ってくれたんです。
毎月どんな柄でも必ずお買い物に来られる方もいるほどの人気具合ですが、複数の柄を生みだす発想力はどこから出てくるんでしょうか…
営業の担当さんと直接会ってお話したことがあるのですが、会議では各々がいろんなヒラメキを持ち寄るそう。
私も直接お話させていただいた時いくつかおしゃべりしながら思いついたことを話したのですが、急に真面目な顔になって、
「それ、いいですね」
と手帳を取り出し記入されていたので、どこかで採用されていたら半年~1年後などに発売されるかもしれません(笑)
その時にはこちらでもご案内します!
ハンカチというのは誰もが思い浮かべる通り、正方形で厚みのないものがほとんどです。
オンラインショップでは1,2枚ですとメール便がご利用いただけるのですが、これをラッピング、となると「どうしたものか」と頭を悩ませます。
数年前実店舗のスタッフだった私は、その時の上長と一緒に、どうやったらハンカチで可愛いラッピングができるかアイディア出しをしていました。
何と組み合わせるのが一番か?
どんなものなら持ち帰っていただく際に崩れないか?
以前の「よみもの」でお話させていただいた通り、私は花が好きなのでハンカチを包装紙の代わりに用いてブーケとして店頭に並べました。
その頃はまだそういったものが物珍しかったので、作って店頭に置いたものはどんどんお客様に手に取っていただけていたのを覚えています。
イノブンの実店舗のギフトは、それぞれの店舗の担当者がアイディアと商品への情熱で作っています。
商品担当者同士が、
「こっちの商品ギフトに入れても良いかな?」
など話し合いながら作成していきます。
オンラインショップでは在庫の管理・梱包・発送という点でクリアできていない問題点がいろいろありますが、今後はいろんな形での贈り物がお届けできたらいいなと思っています。
今は取り扱いがスタートしてまだ半年の「近沢レース店」さんのハンカチをなので、素敵に見せる写真をたくさん撮ってその魅力をお伝えしていくことに専念しますね。
撮影の小物に何を合わせるかも楽しいんですよ。
今回の秋冬(と言ってもまだ夏真っ盛りなのですが)の第一弾は、「万有引力」。
ニュートンの「林檎の樹」のエピソードという、知らない人は居ないお話がモチーフのテーマでした。
「絶対、林檎と一緒に撮るもんね」
と思って四条本店の3階から林檎の造花を借りて撮影。
この部分に「万有引力」という文字が刺繍レースになっているんです。面白いですよね。
この、「文字を刺繍にしている」点が、人気の秘密なんです。
「何そのハンカチ!」
「可愛いでしょ~ここ見て!」
と会話が続いていって盛り上がります。
春先に「桜餅」のデザインが販売された時は向かいの高島屋さんの地下へ行って、桜餅の本物を買いました。
商品ページの写真はどうしても正方形になり、写る面も狭いので入りにくいですが…。
そういえば先ほど私は「正方形で厚みのないもの」とお話しましたが、今冬には丸いものがオンラインショップにも入荷予定です。
ハンカチで丸いって何?と思いますよね。
実際見ていただいたら丸い形で納得なデザインですので楽しみにしていてくださいね。
お話したいポイントがたくさんある「近沢レース店」さんの刺繍レースハンカチ、「話せるハンカチ」としてこれからもいろんな人をお話で繋いでくれるだろうな、と思っています。
筆記者:K