2024/07/05
デジタルの世界とアナログな世界、みなさんどちらが好きですか?
魔法などの空想の世界と物理が生きている現実の世界、どちらが好きでしょうか?
昔読んだ絵本の世界を大人になってふりかえる機会はありますか?
ペンや筆で描いたイラストをタッチそのまま、立体的に起こしたかのようなアクセサリー「Palnart Poc(パルナートポック)」。イノブンに入社して初めて出会ったアクセサリーです。
一人暮らしを始めて数年経ったころ、実家に連絡してとある絵本を送ってもらいました。
なぜふっと急に思い出したのかは忘れてしまったのですが、とてもきれいな絵の「人魚姫」と「イーダちゃんの花」という童話の本です。
「『にんぎょひめ』のあの本こっちに送って」
と連絡を入れたところ、両親は
「どれのこと?」
というぱっと思い付かない様子だったのですが、弟は
「あれやな?」
と。
私が気に入っていて、実家を離れるときにしまい込んでしまわずに、目に見えるところに立て掛けたのを見つけたようでした。
絵を描くことが好きなのでいろいろと勉強したりデッサン教室に通おうとしたり…。
デッサンの教室にはすぐに通わなくなってしまいました。
自由な絵を描くのが好きなので、ある程度「こういう見え方をする」「こういう描き方をすれば立体的に見える」「印象的に見える方法」が分かれば「まぁいいや」と思ったのを覚えています。
そうして時々気晴らしのように絵を描きながら、
「仕事にするのは無理だなー」
と思っていました。
気が向いた時に集中して描くということしかできなかったので、締め切りやコンセプト・テーマに縛られて描くことはきっとできなかったと今でも思います。
大学の講義でオープン科目(他学部にも公開されていて単位になるやつです)に入っていったとき、芸術系の学部にお邪魔して痛感しました(苦笑)
それ以来、絵は何物にもとらわれない私の“童心”です。
パルナートポック(昔はブラフシューペリアと呼ばれていました)は、私がイノブンで出会った数ある商品の中でもダントツの世界観をもつ、“面白くて楽しい”、アクセサリーブランド。
絵を描くのが好きな人には必ずささるはずです。
イノブン四条本店に入社した時、アクセサリー担当の先輩と「平台やってみようか!」と巻き込んでもらいました。
アクセサリー担当ではなかったのですが、好きすぎて。
その先輩に、宇宙や天体、星モチーフに「地球の誕生と宇宙の関わりをストーリーにしたい」「商品セレクトにきちんとコンセプトを組み込みたい」という話をすると、とても盛り上がったんです。
その人も絵を描くのがとても上手な人でした。
壁側に広く宇宙の背景を貼り、アクセサリーには“ブラフシューペリア”のメインの絵に似せて手描きでポップを描きました。
備品・什器もその当時のインテリア雑貨の担当の先輩と探して、地球儀やガラスのランタン、天秤やフラワーベースを置きました。
…いろんな人に手伝ってもらって、楽しかったです。
そのポップアップを決めた時、当時のメーカーさんの担当者さんに、
「カタログのイラスト使わせてほしいです」
と電話でお願いしました。
ここが一番通りにくかったのです。
なぜなら絵の仕様には許諾が必要で営業担当さんで判断できなかったんです。
そして、どうしても使わせてもらいたかった絵たちは、“ブラフシューペリア”のアクセサリーのデザイナーさんが描いたイラストのようでした。(真相は分かりません苦笑)
「上の者とイラストレーターさんに確認しますので少しお時間いただきます」
…待ってる間も準備を進めながらわくわくしていました。
カタログの絵、本当に素敵だったんです。
空を飛ぶシロナガスクジラが男の子の頭上を泳いでいくシーンを地面から切り取った構図でした。
平台のテーマにした、地球と宇宙の関りには水や海も必須だなと思っていたので、これは本当にぴったりな絵だと思いました。
私はジブリ作品が好きなのです。
(多くの絵を描く人のきっかけになるものでしょうね。)
中でも「風の谷のナウシカ」が飛びぬけて好きです。
子どもの頃に地上波で放送されているナウシカを見て、子供用の小さいイスをひっくり返し、メーヴェに乗って風を操り空を飛ぶ、ナウシカの真似事をしていたそうです。
小さい頃は意味が分からなかったどこか別の世界のことと思っていたナウシカは、大人になって原作の漫画を全巻読んだらとても難しく複雑な話でした。
深く悲しく、でも小さな光と未来を地球の生命力に感じる、もしかしたら私たちが辿るかもしれない“未来の”話でした。
大体小さい頃に見たものというのは、年を重ねるごとに思い出も想像も印象も大きく脚色されて記憶に残っているものですが、映像・世界観・音楽のディテール…
どれを取っても小さい頃の想いを損なうことない素晴らしい作品。
今見ても30年ほど前にまだアナログな部分が大半だった頃のアニメーション映画が、こんなに繊細に描かれていることに感動します。
デジタルで絵を描ける人が増えている現代だからこそ感じることでもあるかもしれません。
(私はずっとアナログです苦笑)
特に「ありそうで無い」「無さそうである」…そういった曖昧な世界にあるものがディテール細かく描かれるのはすごいです。
レンコンに星型の穴が開いたピアス、
人の手が“種”のパールを持っているピアス、
雲の上で高い空を眺めるウサギ。
ちょっと現実+ちょっと空想、そんな物語のワンシーンのようなアクセサリーが「パルナートポック」だなと思います。
(ショートケーキやパンに顔があるのは「ありそうで無い」ですけども笑)
大人になって「かわいいな」と思いつつキャラクターものというのはあまり手に取らなくなりますね。
現実的な面を考えて「使わないもんな」と思ってしまいます。
それでもパルナートポックのアクセサリーは、何か新しいものが出ているのに気付くたび、イノブンの店頭で足を止めてしまいます。
「今もあの素敵なイラストたちがアクセサリーになっているのかな。」
と思いながら、自分の普段のスタイルの中に取り込むのはちょっとテイストが違って難しいのですが、星や天体モチーフならたまにはいいかな、とアクセサリーメインのコーディネートを考えたり。
時々
「なんでそれ作ったの?!」
と思うようなものもあって、ただ身を飾るためのものではなく、ひとつのアクセサリーがそれを見る人の子ども心をくすぐったり、どんな背景があるのだろうと想像を膨らまさせたりすることに可笑しさを感じます。
そんなアクセサリー他にありません。
パルナートポックのアクセサリーの背景にある「物語」に想像が止まらないんです。
人間の想像を超える未知の世界に、想いを馳せて。
パルナートポックは、これからもきっと止まらない想像でファンを魅了し続けてくれると思っています。
今回は7月に合わせて、人知の及ばない世界、「空・星・天体・宇宙」をテーマに集めました。
“小さな”アクセサリーにつめこんだ、面白おかしい壮大な世界観をぜひお手元にお迎えください。
筆記者:K